英語の独学でアダルトチルドレンの心の傷が癒えてゆく

主婦になってから始めた英語の独学は、収入を得る手段、社会との接点以外にも、思わぬ副産物をわたしにプレゼントしてくれました。

幼い頃から満たされることがなかった自己肯定感。自分をありのまま受け入れてほしいという切なる願い。自分の中にあった、そんなもろもろの感情が、へたっぴな英語を話すことで少しずつ昇華されていった気がするのです。



専業主婦の英語独学…やむにやまれず

未熟な両親に育てられることで、わたしは幼い頃から子供でいることが許されませんでした。3歳歳下の妹は、身体が丈夫ではなく、絶えず両親の関心は妹に注がれている様な気がしていましたし、その後小学校に入る頃になると基本的に 妹の面倒は、わたしに任されました。

父性の存在しないわたしの家庭では、母も母親の本分を発揮することは出来ません。基本わたしと妹は放ったらかされて育ちました。母に絵本を読んでもらった記憶もありません。その代わり習い事はわたしの希望とは別に強制されていました。習字や珠算、絵画教室など。子供の教育は外注していたわけです。

今思えばわたしはもっともっと両親に甘えたい。無邪気な子供時代を過ごしたいと願っていたのだと思います。その思いはその後もずっと続きましたが、子供らしくわがままを言う事は、できませんでした。

わたしは聞き分けの良いしっかりしたお姉ちゃんを演じることで、体の弱かった妹は甘えたでわがままな末っ子を演じることで、それぞれ自分の居場所を確保し、両親の歓心を得ようとしていました。典型的なアダルトチルドレンが出来上がっていきました。

そのせいでしょうか?

わたしはずっと、自分の感情を人前でさらすことが苦手でした。両親にすら甘えられないのですから、他人に甘えることはもっともっと苦手でした。

後に今の夫となる彼と出会い、お付き合いを始めたときに初めて、ありのままの自分を受け入れてもらえている感覚を味わい、同時にそれまでの自分がどれほど不安定であったのかを知り、そして自分は切り立った崖っぷちを一人で歩いていたことを思い知りました。

なので厳密にいえば、夫となる人と出会った時点で、心の傷のかなりの部分は癒されていたわけですが、その後、偶然はじめた英語の独学は、また一段とわたしを開放する結果となりました。

結婚と同時に専業主婦となり、家庭の中で家事と子育てだけに24時間を費やす日々。

子供はかわいいけれど次第に自分の中に鬱々とした感情がたまっていきました。

子供たちはどんどん成長しているけれど、わたしは何一つ変わってない。一年前のわたし、昨日のわたし、今日のわたし、全部同じ。

それが嫌でワラにも縋る思いで始めたのが英語の独学でした。

本当は一年前と全部が同じだなんて、ありえないのですが、その時はこのままでは何もしないまま人生が終わってしまう気がして、とにかく何か目標をもって前に進んでいる実感が欲しかったのです。

それもきっと自己肯定感の低さからきた感情だったのでしょう。

自分はありのままでいい。ここに存在しているだけでいい

と、自分を受け入れられていたなら…何がなんでも成長したいなんて思わなかったでしょうから。



拙い語彙力で懸命に話す。幼い子供のように。

焦燥感を払拭するように、たまたま始めた英語の独学ですが、英会話サロンで外国人を相手に下手な英語を使って話すたびに、何かが私の中で変わっていきました。

だって、カッコつけても所詮へたくそな英語しか話せないのです。語彙は少ないし、文法も間違いだらけだし、言いたいことの半分も言葉になりません。

自分を幼い子供のように感じました。

話を聞いてくれる外国人の友人たちは辛抱強く、わたしが何を言いたいのか、興味をもって耳を傾けてくれました。ときには、わたしのへんてこりんな英語にクスクス笑いながら。

ネイティブでない、会話初心者が四苦八苦しながら間違いだらけの外国語を話す姿を、間違えたからと叱りとばす人はいませんもの。

それはまるで子供の頃に、もっと両親に関心を向けてほしかったわたし自身の子供時代を自分の望む形に修正して、追体験するような感覚でした。

そして何より大切なことは、わたし自身がそんな自分を受け入れられたこと。

幼児のように言葉ができないわたし。へたっぴなわたし。ダメダメなわたし。いつもいつもしっかり者のお姉ちゃんでいなくてはいけないと思い込んでいた幼い日のわたしの頭を、自分でなでなでしてあげたい気持ちでした。

いいんだよ、できなくても。いいんだよ、甘えても…と。

そんなもろもろを受け入れて開き直ってしまえたことで、ずいぶんその後の人生を 生き易くなった気がします。

人生たそがれ時、それでも子供のころより、ずっと楽しい。

です。

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